total:
  today:
  yesterday:

このエントリーを含むはてなブックマーク 2007.06.26    ビリーズブートキャンプ物語3日目

今日からは、応用プログラム。

今までとは違い、過酷になるに違いない。

しかし、今の精神状態なら乗り越えられる。

オレはそう思い、訓練場へ入った。

オレは、部屋に入ると無意識のうちにブリジェットを探していた。

彼女が笑顔で迎えてくれるのを望んでいたのだ。



しかし、何かおかしい。

違和感を感じる。



よくよく見直すと昨日までの隊員が誰もいないことに気付いた。



オレは、部屋を間違ったのかと入り口に行き番号を確認する。



部屋は指定された番号だった。

一体どういうことだ。ようやく仲良くなって来たっていうのに。

そんな中、シェリーが部屋に入ってきた。



オレは、不覚にもシェリーが来たことに安堵してしまったが、

当のシェリーは、うろたえているオレを見て、



にたり。



口元に笑みを浮かべると俺の前を通り過ぎ奥へと入っていった。



オレは、気付いた。



仲間に認められようとしていたオレに対する虐め。

一体、オレが何をしたと言うのか。

シェリーへの怒りに震えながらも、オレは一人部屋の隅で、

訓練までの時間を体育座りで過ごした。



開始前に、もう一人だけ見知った顔の人物が入って来た。

ビリーの右側。シェリーの反対側で訓練を受けるジュリアンだ。

二人共、このブートキャンプではインストラクターの地位を築いている。

まさしく、ここでの二大巨頭だった。



彼女は、寡黙でオレはまた話をしたことがなかった。

話しかけたい気分に駆られたが、勇気が出なかった。



時間になりビリーがやってきた。

今日は調子をこいて軍隊用の帽子を被り格好付けて入って来た。

そして、入って来るや否や、帽子を投げ捨てた。



ここは突っ込むところなのか?



疑問に思ったが隊員達はクスリともしなかった。



少し、帰りたくなった。



オレは昨日までと同じ場所に陣取った。

昨日まで、ブリジェットがいたところには、

作り物っぽい笑顔を浮かべる不美人な中国人が陣取っていた。



かなり、帰りたくなった。



頭にはブリジェットの笑顔が浮かんできた。



あぁ、オレは彼女に恋をしていたのかもしれないな。

その時になって気付いたが、遅かった。



オレは、シェリーの後姿を睨むと、胸の奥から怒りのパワーが湧き上がって来た。



このパワーを訓練にぶつけよう。

そう思った。



―――10分後



余りの過酷な運動に既についていけなくなっていた。



五分間のストレッチが終わると、延々下半身を苛めるメニュー。

同じ箇所を違うメニューで何度も痛めつける。



応用プログラムの過酷さに先ほどのパワーは消え去っていた。

しかも、今日はビリーも気合が入っている。



「おい、声が聞こえんぞ!!数を数えろ!!」



「お前起きてるのか?ははは、どうやらこいつは眠たいらしいな」



隊員に話しかけている間は、そのメニューは終わらない。



ビリーは、メニューとメニューの間にウォーキングを挟むのだが、

その号令が聞こえない。



さらに、今日は説明がやたら長い。勿論、その説明が終わるまでは、

そのメニューは終わらない。



オレは10分に一回ついていけなくなっていた。

そして、最後には、



「おい!お前!諦めるのか!?もう終わりか?」



新兵のオレに対してもプレッシャーを与えてくる。



「ノー、サー!!」



「そうだ、声を出せ!!」



「イエッサー!!」



「そうだ!乗り越えるんだ!お前なら出来る!!」



ビリーの励ましも先日のように効かない。それほど今日のメニューは過酷だった。



ビリーバンドを使った上半身、特に腕力を使った訓練。



再び下半身。



オレも含めて隊員一同全員がバテていた。

もはや形や体勢、どこの筋肉を使っているかは関係なく、

ただ動く部分を必死に動かして、訓練に参加することで精一杯。



ビリーもかなり疲労しているらしく、

「よし、次は、、、えーっと、これだ!」



かなりいい加減になってきた気がする。

40分を過ぎたあたりでは、



「よし、集合!!あ、違う!次は・・・」



よっぽど終わりたかったのか、いきなり集合の号令をかけてしまう始末。



でも、喋り続ける51歳。彼は偉大だ。

腹筋を重点的に鍛え、やはりオレは途中ついていけなかったが、

そこで、ようやく音楽がスローになった。

「もうすぐ終わる・・・」

そろそろストレッチだと思いきや、

中腰の姿勢を維持させてなかなか号令を出さない。

挙句、その状態のまま俺たちに長ったらしい説教を始めた。



ほとんど頭には入ってこなかったが、要約すると、

「よく最後まで頑張ったな」

ということを長々ダラダラ喋っていた。

隣の中国人が小さい声で「fuck!」と言っていた。



オレはまたブリジェットが恋しくなった。



そして、ようやくビリーの「集合」の声がかかった。



隊員一同、全員が歓喜の声を上げた。



そして、ビリーがまた説教をして、最後にいつもの言葉をかかるのを待っていたが、



「イェーーーーーイ!!」



疲労のためかビリーはいつもの台詞を忘れ、とりあえず何か言っとけ。

みたいな感じで、勝手に一人で終わらせてしまった。



隊員は皆一瞬ポカーーーン。としてしまったが、

とりあえず、「イェーーーイ!」って合わせとけ。

という激しく尻つぼみな雰囲気でその日は終わった。



オレはしばらくその場にしゃがみこんで動けなかった。



明日も今日と同じメニューらしい。



明日にならないで欲しいと真剣に思った。



つづく

この記事は、 13 オモロ


オモロボタンとは
返事が欲しけりゃtwitter