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このエントリーを含むはてなブックマーク 2007.06.30    ビリーズブートキャンプ物語5日目

過酷だった3、4日目の応用プログラムが終わった。

5日目からは、腹筋集中プログラム。

今までも腹筋トレーニングはおこなわれてきた。

それもせいぜい10分。それ以上はなかった。

そのたった10分でも、オレはついていけなかった。

しかし、今日は35分全て腹筋のトレーニングだ。

どんな訓練になるのか、正直少しビビっていたが、

昨日の一件を乗り越えたオレは、自分の身体、

そして、何よりも心の中で何かが変わったような気がしていた。



部屋に入る。



オレは、驚いた。



「ブリジェット!!」



そこには、もう会えないと思っていた人の姿があった。

他にも見慣れた顔がいくつかある。

どうやら、5日目になって、また前の隊員達と一緒になったようだ。



「バカ社長!」



ブリジェットの笑顔を見て、オレは思わず、自分からハグをしていた。

嬉しかったのだが、ハグしてみると、

ブリジェットはこの二日間でやたらビルドアップしていた。



身体が一回りでかくなってないか?

二日前はビリーバンド無しで訓練していたのに、

なんだこのムッチムチの身体は。



少し驚いたが、笑顔を見るとそんな小さなことはすぐ忘れた。



ブリジェットと話をしたかったが、もうビリーが部屋に入って来た。



早速、訓練が始まる。



初めは、腰を中心に上半身だけをツイストさせる運動。

負荷は強くない。それを長々と繰り返しおこなっていく。

昨日までの訓練に比べればなんともない。



ビリーは訓練中、

「腹筋だ、腹筋を意識するんだ!!」

常にそういい続けていた。

オレは、その言葉通り、どこの腹筋が動いているのか、意識し続けた。

負荷は弱いが、そうやって意識すると、その部分だけが疲労していく。

疲労は溜まるが、オレは意識することを止めなかった。



その後も、腹筋を使った小さい負荷の運動を延々続ける。

20分を過ぎたあたりまでは、余裕でついていけた。



今日は初めて最後まで休まずついていけるかも!



と、思ったが25分過ぎの寝ながら足を浮かして腹筋を鍛えるメニューで、

やはり少し休憩をしてしまった。

そうして、あっという間に時間が来て訓練は終了。



気付けばビリーバンドは使用していなかった。



ビリーに、なぜビリーバンドを使わないのか聞いた。

ビリーバンドは腹筋を鍛えるには、向いてないのか。と。



ビリーは答えた。



「ビリーバンドは何のためにあると思う?」

「負荷を強くして鍛えるためだ」オレは答えた。

「それじゃ、50点だ。」



オレは、後の50点は何なのか尋ねた。



「ビリーバンドを使えば、手を抜こうとした隊員が一目でわかるからだ!!」



ガハハと笑って答えた。そういえば、訓練中にそんなことを言っていた気がする。



「じゃ、今日手を抜こうとした人がわからないじゃないか」



オレは、言い返した。

すると、ビリーは優しい目をこちらに向けた。



「応用プログラムを乗り越えた隊員は、そんなことはしない」



「現に、お前はサボらなかっただろう?」



そして、頭をポンと叩かれて、またガハハと笑った。

オレも一緒に笑った。



明日も今日と同じ腹筋メニュー。

そして、明後日は最終プログラム。

最終プログラムはたった25分程度だと聞いている。

時間の長さだけでは測れないが、

この様子だと、応用プログラムが一番過酷なメニューなのだろう。

なぜその一番過酷なメニューを体調的にも一番厳しい三、四日目にやるのか。



今のオレには、その理由がわかる気がした。



訓練後、ブリジェットと話をした。

たった二日間会わないだけだが、話が弾んだ。



「この二日間どこに行ってたの?除隊したんじゃないかって心配したわよ!」



ブリジェットは頬を膨らませて怒ったフリをして言う。

「どうやら、応用プログラムだけ、違う隊で受けさせられたみたいなんだ」

「え、どこの隊よ?」

「うーん、詳しくはわかんないけど、ピーターっていう奴がいた」



「・・・ピーター?そ、それって白人で細長い顔をした?!」



オレは、唯一トイレで挨拶を交わしたその男の記憶を手繰り寄せながら、



「あぁ、確かにそんな感じだったよ」



「信じられないわ!その隊はここでも一番過酷な訓練をする隊なのよ!」



どうやら、同じプログラムでも隊によって過酷さが違うらしい。

オレは、なぜか一番過酷なプログラムを一番過酷な隊で受けさせられたのだ。



「よく二日間も耐え切ったわね!スゴイわ!」



オレは、耐え切れず逃げ出そうとしたことは言わず、ただ照れて笑った。



「でも、なんでバカ社長だけ違う隊で受けさせられたのかしら?」



確かにそれは謎だ。しかし、そこで一人の顔が思い浮かんだ。



―――シェリー。



彼女の仕業だろうか。

しかし、今までの行動からしてそう考えるのが一番納得がいく。

一体、なぜだろう。オレは彼女に何か悪いことをしたのだろうか。



「どうしたの?バカ社長」



「いや、何でもないよ。なんか汗が冷えてきた。シャワーに行くよ」



オレ達は、それぞれシャワーに向かった。



最終プログラムまであと二日。

その時、オレの人生はどうなっているのだろう。

オレは訓練でかいた汗と、少しの不安をシャワーで洗い流した。



つづく

この記事は、 32 オモロ


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