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このエントリーを含むはてなブックマーク 2007.11.29    そして、内定へ

バカ社長の担当のエージェントから電話がかかってきた。

「人事異動で、部署が変わり、バカ社長さんの担当ができなくなってしまいました。

 バカ社長さんがどうしてもお望みなら、引き続き担当もできますが・・・」

無念さをありありと感じさせる声だった。

オレは、それを断り感謝の句を述べる。

そして、



「これが、最後の求人のご紹介になります」



後日、

「私が新しい担当です。よろしくお願いします」

変わった担当は、若くて綺麗な女性だった。

でも、オレはそんなことはどうでも良かった。

エージェントに美しさは関係ない。必要なのは信頼関係だ。

胸の開いた服から覗く、谷間をチラ見しつつも、最初の面談を済ませたオレは、

自ら600件にも及ぶ求人全てに目を通し、目ぼしいもの全てに応募した。

同時に、おばちゃんが紹介してくれた最後の求人に目を通すも、

目ぼしいものは、無かった。



だが、オレは、その中から1件だけ、応募することにした。



「あの、この求人ですけど、他の求人と少し職種が違うような気がしますが・・・」



新しい担当は、オレが面談で言っていた希望職種と、さらに他に大量に応募を依頼した職種と、

そのたった一件の応募職種が若干異なることに、意見してきた。



オレはその言葉を聴くと、「そうですね。でもお願いします」



彼女は渋々了解した。



その時、運命の歯車は動き出したのだろう。



いざ、面接に言ってみると、気さくな人事の方と話が弾んだ。

オレは、特に面接の準備をしておらず、今までの面接で言ったことを、ただ丁寧に繰り返した。



人事の人の横には現場の方がいる。生真面目そうな方だ。

会社概要などの説明をされ、今回の求人内容に話が及ぶ。



その内容は、求人票に書かれていたこととは異なっていた。



良い意味で。



近年某大手企業の資本が入ったその会社は、事業規模を3年で二倍にすることが決まっており、

そのため、人員を今の1.5倍にするという。

そんな中、会社のサービスの中心の基幹システムがCOBOLという言語で書かれており、

それをJAVAという言語で作り直して移行するという、かなり大きなプロジェクトが進行しているのだと。



自分の経験がいき、新しい知識を吸収できる。

この上も無い良い話だった。



「そういうことで、辛いこともあると思いますが、どうでしょうか?」



「是非、やらせてください」



1次、2次を経て、最終面接へ。



その間に、大量に応募した求人の書類審査での不合格の通知がドシドシとやってくる。

その会社の最終面接日を迎える頃、他に応募した企業はほぼ全滅となっていた。

オレは、新しい求人にも応募することはせず、その面接に全てを賭けた。



役員5人の前で、厳しい指摘も飛び交う中、決して諦めなかった。

最後の最後に、社長の質問の番になった。

笑顔が素敵なその社長は、始めにちょっとしたギャグを言った。

きっと、オレの緊張をほぐすためだろう。

オレの緊張はほぐれなかったが、この人がジェントルマンだとは感じ取った。



「いいところまで、来ている。でも、もう過こし足りない。いいかい?」



上司に正しいと思っていることを直訴するも無下にされたらどうするか?



話の流れでそんな質問をされ、自分なりに答えた後、社長はゆっくりと言い始めた。



「会社では、正しい意見が必ずしも通るとは限らないんだよ・・・ただ言うだけじゃなく、それなりに頭も使わなくちゃ」



社長は、オレの意見を真摯に聞き、足りないこと、どうすれば良いかなどを、

時間をかけて説明してくれた。



こんな面接は初めてだった。

それは、面接というより、カウンセリングのような・・・。



「最後に質問はありますか?」



1次、2次と質問をして来たので、特に考えてなかった。



「私達は、君のことをもっと知りたいし、君にも私達のことをよく知ってほしい」



そんな言葉を言われ、「今、考えます」その場で質問を二つ考えた。



「君にとって、起業活動というのは、無駄ではなかったんだね。その気持ちは忘れてはいけないよ」



面接は終わった。

人事の人と交通費のやり取りをしている時、人事の役員の人が来られて、



「内定出たんで」



その場で、内定が決まった。



帰り道。

祝杯

オレは生まれて初めて、一人で店に入り、一人でビールを注文した。



一人で、飲んだビールは、いつもより少し苦かった。



こうして、約三ヶ月に及んだオレの就職活動は終わりを迎えたのだった。

転職記、次回完結!

この記事は、 21 オモロ


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一言コメント
1 名前:バカ社長のマネージャー (東京) 投稿日:2011/12/13 20:28:18
泣きました!

返事が欲しけりゃtwitter